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成田空港反対派の建物撤去は10年ぶり――11月28日に横堀で強制執行
2012年11月22日1:16PM
「当時は“戦争”だったよ」
千葉県芝山町にある横堀団結小屋に向かうタクシーの中、運転手は一九六六年から始まった成田空港建設反対運動「三里塚闘争」についてこう語った。
千葉地裁八日市場支部(執行官:栗原昇)は一〇月二九日、横堀団結小屋の居住者と三里塚・芝山連合空港反対同盟元熱田派に対し、退去と土地の明け渡しを催告した。これは空港会社が七月一二日に千葉地裁へ提出した「工作物収去命令申立書」に基づくもので、人が住んでいる反対派の建物撤去は二〇〇二年一一月以来一〇年ぶりとなる。
団結小屋への道中で複数の機動隊の車とすれ違った。小屋に着くと「三里塚空港粉砕! 団結小屋破壊阻止! 一坪共有地強奪を許さない!」という看板が掲げられていた。草地の奥へ歩を進めて目にしたのは千葉地裁による公示書。一一月二八日午前七時に強制執行される旨が記されていた。
そもそも三里塚が空港建設地に選ばれたのは、宮内庁下総御料牧場と県有地が合わせて約四二四ヘクタールあり、空港敷地の約四〇%を占めていたことが理由の一つだという。残りの約六〇%の敷地は中農以下の開拓農民が多く、地元住民の反対を押し切り空港の建設は進められた。
今回の横堀団結小屋とは別に、今年八月九日、東京高裁第五民事部(大竹たかし裁判長)が、建設反対派の柳川秀夫さん持分裁判と横堀共有地裁判に対し、控訴棄却の判決を出した。これは空港会社の単独所有を認めるもので、元熱田派は上告。横堀団結小屋以外にも空港周辺には元熱田派の団結小屋が二つある。
三里塚大地共有委員会(Ⅱ)の加瀬勉代表は本誌に対し「今回の三里農民に対する強制代執行は、三里農民の財産権、居住権を破壊する国家犯罪である」として、国との対決姿勢を強めている。
(赤岩友香・編集部、11月9日号)