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むらさきロードパレードに100人――「暴力は愛じゃない」
2012年11月27日5:14PM
ドメスティック・バイオレンス(DV)、性暴力などの被害当事者と支援者らが、暴力根絶の象徴である紫色のものを身に着け、子どもと女性への暴力根絶を訴えて歩く「あるこうよ むらさきロード」パレード(主催/同実行委員会、後援/内閣府男女共同参画局、UN Women〈国連女性機関〉)が一一月四日、東京で行なわれた。
今年でパレードは四回目。五歳から一二歳までの子ども九人を含む約一〇〇人が参加した。支援者だけでなく当事者が自ら声をあげるのがこのパレードの特徴。仮面やかつらなどで仮装した参加者らが、青山通りや表参道を歩きながら、「暴力は嫌だ」「暴力は愛じゃない」「携帯チェックは人権侵害だ」「出かける先をいちいち聞くな」などと訴えた。
参加した当事者のJさん(四四歳)は「最初は不安で怖かったが、支援者の人たちに守られ、暴力は嫌だと声に出して言えた。青空の下で自分の言いたいことを言えることが気持ちよかったし、言えたということで励まされ自信もつきました。暴力を受けていたということが恥ずかしくて隠していたが、受け入れてもらえ、気持ちを共有できたことがうれしい」と話す。
ただ、重度のPTSD(心的外傷後ストレス障がい)を抱え外を歩けない状態の被害当事者も多い。Jさんは同じ当事者として「自分の頭と心によく聞いて、本当はどうしたいか決めてほしい。いつでも一緒に歩ける。一人だと思わないでほしい」とエールを送る。
むらさきロード実行委員会の鈴木あうらさんは「被災者のトラウマは報道されているが、DV被害者のトラウマはニュースにもならない。社会の暴力構造は変わっていない」と指摘。パレードは来年以降も続けると話した。問合せなどは arukoumurasaki@yahoo.co.jp まで。
(宮本有紀・編集部、11月9日号)