【タグ】イスラム教徒|シリア|テロ|公安|外務省|岩重光義|情報保全隊|法務省|自由シリア軍|自衛隊
イスラム教徒になったら公安が……
2012年11月28日6:41PM
内戦が続くシリアに取材に行き、イスラム教徒になったところ、シリア反体制派の兵士になったかのように報じられ、直後には公安が家族の元に……。シリア・ラタキア県北部の村で7月28日、広島県出身のカメラマン・岩重光義さん(28歳)は自由シリア軍兵士らの立ち会いでイスラム教に入信。その際の動画が複数を経由し、誰かの手でYouTubeにアップロードされた。それを元に7月30日、NHKと共同通信が「シリア反体制派に日本人?」との見出しで報じた。いかにも参戦しに行ったような記事になっていた。
その直後、岩重さんの実姉の元に外務省から「(シリアから)早く帰るように家族から伝えてほしい」と連絡が入り、8月下旬には広島に住む母親の職場に「法務省公安調査局」の統括調査官が訪れ、「この状況なら(息子さんは)死んでいる可能性もある」などと言って、母親の心配を募らせた。
日本国内のイスラム教徒は「テロ勢力」扱いされ、平和運動に関わる市民団体や政党、ジャーナリストとともに自衛隊情報保全隊の監視対象に。自衛隊の国民監視差し止めを求める裁判(一審は国に賠償命令)も続いているが、岩重さんは「まさか自分も監視対象に?」と当惑気味だ。ちなみに誤報を流したメディアは訂正も謝罪もなし。この国のメディアと公安は何をやっているのか。
(片岡伸行・編集部、11月9日号)