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医師・矢島祥子さんの不審死から3年

2012年12月5日6:56PM

矢島祥子さんの母親・晶子さん(右端)ら。(写真/佐藤万作子)

 大阪市西成区の釜ヶ崎で医師として献身的に活動を続けていた矢島祥子さんが亡くなって11月14日で丸3年。本誌10月5日号で報じた通り、今年8月に遺族は殺人と死体遺棄の容疑で西成署に告訴し、受理されている。ただ、その後も進展はなく、11月16日には死体遺棄罪について3年の時効を迎えた。

 命日を前にした11月11日、釜ヶ崎の三角公園で「追悼集会」(主催・さっちゃんの集い)が開かれ、雨の中、500人近い労働者が参列。事件の経過説明や、生前の祥子さんを知る人々が語る思い出などに耳を傾けた。母親の矢島晶子さんは、労働者の過酷な現実と孤独な死に心を痛めていた祥子さんが手帳に書き残した「祈りの詩句」を朗読。

 また、三線奏者として知られる照屋政雄さんが沖縄から駆けつけ、歌と演奏で会場を沸かせた。兄の矢島敏さんら4人で結成するバンド「夜明けのさっちゃんズ」による「さっちゃん先生物語」の河内音頭風バージョンなどのお披露目も行なわれた。これはさっちゃんの集いのメンバーが作詞したもので、祥子さんの人柄や釜ヶ崎での活動が詠み込まれており、CDになっている。

 閉会の挨拶に立った父親の矢島祥吉さんは「私は自殺に見せかけた計画的犯行だと確信しています。告訴が受理されているので真相は明らかになっていくと思う」と捜査への期待を語った。

(佐藤万作子・ジャーナリスト、11月16日号)

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