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月末から始まるがれき試験焼却も緊迫――受け入れ反対住民4人が逮捕

2012年12月6日6:24PM

11月7日、橋下徹大阪市長に要請書を提出した海老澤徹氏(右)と下地真樹氏。(撮影/粟野仁雄)

 岩手県宮古地区の震災がれき受け入れを決めている大阪市で一一月一三日、住民説明会が開かれたが、開場前から紛糾。大阪府泉大津市在住の四五歳の男性ら男性三人と、住所不詳の三三歳の女性一人が建造物侵入容疑や公務執行妨害容疑で逮捕された。男性らは黙秘。女性は「納得できない」と容疑を否認しているという。

 福岡県北九州市では今年五月の試験焼却の際に逮捕者が出たが大阪では初めて。逮捕された男性の一人は仲間を拘束しようとした警部補の腕を振り払ったとされた。

 反対派は昼過ぎから図書館や老人福祉センターが併設されている此花区四貫島の区民ホールに集結。建物に入り、説明会の準備をしていた区職員らに「焼却反対、がれきは危険」などとハンドマイクなどでシュプレヒコールをあげ、区職員の退去勧告に応じなかった。大阪府警は警察官ら約一〇〇人を動員して建物の外へ押し出したが揉み合いとなった。午後七時からの説明会は予定通り実施されたが大荒れのまま散会した。

 大阪市では七日に海老澤徹元京都大学原子炉実験所助教や下地真樹阪南大学准教授、「ちょっと待って!放射能ガレキ関西ネット」などの団体が「受け入れ手続きを凍結し、近隣七府県住民が参加する公開説明会を開いてほしい」などと橋下徹大阪市長に要請書を提出したばかり。

 間近で逮捕劇を見ていた下地氏は「まだ図書館などがオープンしていた時間帯なので侵入罪はおかしい。これまで強く運動していた人を狙った不当逮捕としか思えない」と話す。

 大阪市と府は一〇〇トンを海上輸送で此花区沖の人工島に陸揚げし、市のごみ処理施設「舞洲工場」で二四日から試験焼却する予定。

 八月の住民説明会も紛糾しており、反対派は市役所の横のテントに泊まり込みを続けており、今後のトラブルが懸念されている。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、11月23日号)

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