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三菱重工・神戸の商船撤退で多数の失職者

2012年12月11日6:24PM

「造船の灯を消すな」と要請。(写真/たどころあきはる)

 三菱重工神戸造船所が今年6月、商船建造から撤退し、長崎・山口県下関への集約化と原発・潜水艦事業への特化に踏み切ったことから、多数の下請け労働者が路頭に迷い、関係者は神戸市に雇用確保など、行政責任を果たすよう、要請を強めている。

 11月16日の神戸市産業振興局への要請では、2次下請けの社長が「仲間を頼って雇用確保につとめているが、とにかく仕事がほしい」と訴え、1次下請けを解雇された塗装工も「神戸近辺では仕事がなく、地方では収入が半減。技能を活かせない」と強調。三菱OBも「神戸構内で働いた人の9割以上が失職」と、力を込めた。

「神戸の造船を残そう連絡会」の調査によると、「仕事が激減」「全くなくなった」で64%を占め、「見通しが立たない」は4割以上。そのため、3割以上が「商船建造の復活」を望んでいる。

 皮肉にも、三菱が特化・集中方針を打ち出した原発関連の仕事は、5割以上が「激減」と指摘し、深刻な矛盾に、三菱社内でも大激論中とか。失業保険が切れる時期がきて、生活保護の相談が増え、同連絡会では神戸市に(1)離職した下請け関連労働者の追跡調査(2)三菱と神戸市が責任を持って雇用確保を(3)下請け関連事業者に仕事の斡旋を――と働きかけている。

(たどころあきはる・ジャーナリスト、11月23日号)

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