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「被ばく労働を考えるネットワーク」結成――最下層労働者支援を
2012年12月11日6:33PM
これまで実態の多くが明らかにされないまま、被曝による健康破壊や暴力団の介在、不当な賃金ピンハネ等が野放しになっている原発労働者への支援を続けてきた各団体が結集して一一月九日、東京都内で「被ばく労働を考えるネットワーク」の結成集会が開かれた。
長年、原発労働者が劣悪な環境で無権利状態にある問題は知られていたが、東京電力福島第一原発事故後も本格的な解明や改善に向けた行政の取り組みは進んでいない。このため、以前からこうした問題に取り組んできた労働組合や各市民団体等が一堂につどい、(1)被曝問題に関する情報の共有(2)原発をはじめ、被曝を余儀なくされる現場の労働者に対する支援(3)政府や自治体、事業者に対する要請行動――といった目標を掲げて、全国的組織として再結集したもの。
冒頭、基調報告に立った原発の下請労組である「全日本運輸一般労働組合原子力発電所分会」の斉藤征二元分会長は、自身が原発内で作業に従事し、被曝して健康を害した体験を語りながら、「原発は、労働者の命を切り捨てないと稼働しないシステムだ。これまで、どれほど多くの仲間の命が闇に葬られてきたかわからない」と指摘。さらに、「放射能の危険性を知らされずに働き、被曝している最下層の労働者をどう助けるかが緊急の課題だ」と訴えた。
また、福島県いわき市で、除染作業に従事している労働者とともに雇用者と団体交渉を続けている「いわき自由労組」の桂武書記長が現場報告。「除染特別地域の作業員に政府から一日一万円の『特殊勤務手当』が支給されているが、三次下請けで雇用されている労働者には一〇〇円から二〇〇〇円程度しか渡されない」として、除染作業でも悪質な賃金のピンハネが横行している実態を説明した。
「ネットワーク」は一一月二五日、原発作業員が集中しているいわき市で労働者相談会を開く予定で、当面現場の実態把握に力を入れることにしている。問い合わせは、電話番号03-3434-1236まで。
(成澤宗男・編集部、11月16日号)
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