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トロント市議会が南京大虐殺の決議文採択
2013年1月16日6:29PM
カナダのトロント市議会はこのほど、「南京大虐殺から75年を思い起こすことを宣言し、国民の関心を高めるための役割を果たす」よう市長に求めた決議文を全会一致で採択した。
1937年12月に起きた南京大虐殺から75年たった今年、北米の中国・アジア系市民の間では、尖閣諸島問題を契機とした日本国内の右翼的世論の高まりに対して懸念が広がっている。トロントはカナダ有数のアジア系住民が多い都市として知られているが、今回の決議は、日本の戦争責任に対する鈍感さに警告を発したものと言えそうだ。
決議文は「虐殺はいまだ生存者の記憶に留まり」、事件が決して過去のものではないと強調。「命を奪われた犠牲者に思いをはせ、この虐殺事件を人々に伝えることは歴史の理解と平和を推進するために不可欠である」と述べている。これを受けて、フォード同市長は、「12月13日を『南京大虐殺を認識する日』と宣言する」と声明した。
また同国バンクーバーでも12月9日、日系市民も含めた約60人が集まり、「バンクーバー市民による南京大虐殺75周年祈念」集会が開かれた。参加者によれば、席上、中国系のビル・チュー氏は、「日本が南京大虐殺を否定するようになっている現状は非常な痛苦を伴う」と述べ、日系と中国系の市民が連帯し、歴史の認識を深め合う必要を訴えた。
(成澤宗男・編集部、12月21日号)