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谷川弥一文科副大臣がいじめ問題で放言も――“愛国心”教育復活か

2013年2月4日5:03PM

 自民党選挙公約『Jファイル』にある教育政策についての当面の取り組みと方針が明らかになった。

 まず、これまで「教科」ではなかった道徳の教科化。児童生徒に国家主義を教化した戦前の過ちを繰り返さないため、戦後、小中学校で道徳は「教科」ではなかった。だが下村博文・文科大臣は、昨年一二月二七日の就任会見で「第一次安倍政権の教育再生会議で教科化を提案したが、中教審は不可とした。だが自民党は教科化すべきと考えており、改めて中教審で審議してもらう」と明言した。

 二点目は、“愛国心”を強調する道徳副教材『心のノート』の復活。二〇〇二年、文科省が編集した『心のノート』は、民主党政権の事業仕分けで一〇年度からウェブ掲載に留めていた。だが一二月二七日の会見で、元ヤンキー先生こと義家弘介政務官がこれを非難。同省は一月七日、小中学生全員への配布を復活させる約七億円を、一二年度補正予算案に計上した。

 三点目は教科書検定基準の見直しだ。旧文部省の「日本軍の侵略→進出」書き換え強制が外交問題になった一九八二年、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮を」と追記した検定基準。これに対し、下村氏が見直しに言及した。

「大学の九月入学促進」では「高校卒業から大学入学までのギャップターム(半年間)の体験活動必修化」に自衛隊を例示し、高校で新科目「公共」設置も謳う。首相・閣僚・有識者らで構成し一月一五日に設置が閣議決定された、教育再生実行会議で議題とされる可能性が高い。

 また、谷川弥一副大臣は一二月二七日、「いじめ問題では学校に恐い人、武道家がいる方がいい。一番いいのはボクシング。空手・プロレスも入るかな。いなかったら警察のOBだ。いじめたら怒られるよと生徒に理解させる」と発言。体罰を容認するかのような放言だ。

(永野厚男・教育ライター、1月18日号)

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