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大阪市民ががれき処理で監査請求――公権力行使に頼る橋下市政
2013年2月13日5:43PM
大阪府と大阪市に府民一一三人、市民五〇人が一月一八日、住民監査請求を提出した。請求の趣旨は「がれきの広域処理に関する違法な公金の支出に対し、地方自治法第二四二条の第一項に基づき住民監査を行い、当該行為を防止し、当該契約を是正することを求める」とするものだ。
震災で生じたがれきは、地元自治体での処理が原則である。がれきの総量が見直され、地元での処理が可能だとなれば、広域処理を国の交付金で賄うのは不適正だとなり、処理費用は受け入れ自治体の財政から支出することになる。
請求の中心は昨年一二月に逮捕・釈放された阪南大学准教授の下地真樹氏と大阪市民の有志。アドバイザーの立場をとる環境ジャーナリストの青木泰氏は「監査請求をすることで、行政に『知らないとは言わせない』ための強力なメッセージとなる」と述べた。実際に宮城県は再調査の結果、がれきの総量を見直し搬出を止めた。岩手県庁によれば、発表当初のがれきの総量五二五万トンが正確かどうか再調査中とのことだ。
橋下徹大阪市長の持論である民間ベースで財政を考えるなら、市側こそ、がれき受け入れが妥当かの慎重な調査をすべきだろう。
監査請求に先だって一月一六日に行なわれた大阪市主催の、がれき本焼却に向けた住民説明会には、大阪府警によると市の要請で約五〇人の警官が投入された。会場には前方から住民の顔を撮影する二台の防犯カメラが設置されて大阪市は「犯罪の抑止のための処置、今後破棄する」とした。がれきに関する説明会では昨年一一月に市の要請で二〇〇人の警官が投入されて四人の逮捕者を出した。
住民の不安を払拭すべき場で、橋下市長が公権力の行使に過剰に頼る手法に問題はないだろうか。住民監査請求への大阪府、市の対応とともに市政のあり方を注目していきたい。
(真野きみえ・ライター、1月25日号)