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『週刊朝日』問題で佐野氏が講演――「橋下氏をタブーにはしない」

2013年2月26日10:12AM

公の場で連載中止について初めて語る佐野眞一氏(左)。右は高山文彦氏。(撮影/赤岩友香)

 橋下徹大阪市長の出自を探った記事で起きた『週刊朝日』問題から約三カ月半。連載記事の筆者でノンフィクション作家・佐野眞一氏が公の場で連載中止について初めて語った。

〈「『週刊朝日』連載中止問題と出版ジャーナリズムのあり方」を考える〉(主催=憲法と表現の自由を考える出版人懇談会)と題する勉強会が二月一日、東京都内で行なわれ、メディア関係者など約一〇〇人が参加した。

 佐野氏は自らの記事で差別を助長したことについて詫び「他人の作品を評価する資格はない」として、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞と開高健ノンフィクション賞の選考委員を辞退することを明らかにした。

 一方で同氏は「これで橋下氏がタブーになってはいけない」とし、橋下氏について書く気持ちがなくなったわけではないことを述べた。

 勉強会では、被差別部落の地区名を出すこと自体の是非や、表現方法などについて議論が交わされた。ノンフィクション作家の高山文彦氏は「密度の濃い取材ができていれば『ハシシタ』というタイトルにはしないはず」と記事を批判。参加したノンフィクション作家の多くは地区名を出すことについては肯定的だった。

 また、佐野氏は本誌昨年一二月一四日号掲載の記事「『週刊朝日』記者が犯した罪と忘れられた被害者の存在」(筆者・平野次郎氏)に誤りがあるとして、『週刊朝日』の当該記者が本誌に対し「抗議した」と紹介し、「アンフェアな取材はしていない」と話した。

 だが、実際は当該記者と本誌担当編集者との“話し合い”があり、取材に応じた人が話した当該記者の年齢など細部に実際との齟齬はあるものの、本誌記事については「訂正」をするような間違いはないことを確認している。

 なお、勉強会には『週刊朝日』編集部からの参加はなかった。

(赤岩友香・編集部、2月8日号)

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