勝俣氏・清水氏・武藤氏など東電幹部を続々と――東電刑事告訴で進む聴取
2013年3月1日5:24PM
「検察内部でも立件のハードルは高いとの見方」
といった報道が相次ぐ中、東京電力福島第一原発事故の刑事責任を追及する検察当局の捜査が進んでいる。
検察ではすでに福島第一原発の事故現場確認を終え、勝俣恒久・東電前会長や清水正孝・同元社長、そして武藤栄・同前副社長など、事故発生時の東電幹部らを任意で事情聴取。聴取の対象は、事故で廃止された原子力安全委員会の班目春樹・元委員長や、避難中や避難先で多数が死亡した双葉病院(福島県大熊町)の院長や遺族にまで及んでいる。
最近では、政府の事故調査・検証委員会が吉田昌郎・元福島第一原発所長を聴取した際に作成された「聴取書」を、検察が差し押さえたことも明らかになった。吉田元所長と言えば、事故の際の現場指揮ばかりがクローズアップされているが、実は武藤前副社長とともに、同原発の津波対策を担当していた責任者の一人でもある。
にもかかわらず、立件を疑問視する報道は今も止まない。そこで、事故の責任者らを集団刑事告訴した「福島原発告訴団」が動いた。
まずは、東電や安全規制当局などに対する「強制捜査を含む厳正な捜査と起訴」を検察当局に求める署名活動である。署名の第一次締め切りは二月一五日(金)。第二次の締め切りは三月五日(火)なので、募集は今も続行中だ。
次に、その署名とともに福島からバスを連ねて上京し、東京地検まで直接届けに行くことにした。名付けて「2・22東京地検包囲行動」。決して圧力に屈することなく正義を全うしてほしいと、捜査している検事らを“激励”するのが目的だ。署名提出後は、日比谷公園をはさんですぐそばにある東京電力への抗議行動も予定している。詳細は、同告訴団のホームページ(URL http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/)で。
(明石昇二郎・ルポライター、2月15日号)