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沖縄県石垣市に住民が監査請求――宮崎議員事務所に高額報酬
2013年3月5日5:19PM
沖縄県八重山地区の教科書採択をめぐって起きている訴訟で、石垣市(中山義隆市長)が訴訟代理人に支払った費用が高額だとし、住民ら七人が二〇一二年一二月、市に対し住民監査請求を起こしていることが、このほどわかった。
石垣市が委任している弁護士事務所は「弁護士法人那覇綜合」。代表は宮崎政久氏で、同氏は昨年一二月の総選挙に自民党公認候補として沖縄二区から出馬し、選挙区で落選するも比例区で復活当選している。
同市は一二年一月、那覇綜合に対して訴訟の着手金二四六万七五〇〇円、報酬二四六万七五〇〇円を支払った。また、住民側が訴えた二回にわたる仮処分申請においても着手金・報酬一五七万五〇〇〇円(一回目、一二年二月)、着手金・報酬七八万七五〇〇円(二回目、同年五月)が支払われた。
監査請求書は、日弁連の「弁護士の報酬に関する規定」に鑑みて、今回の着手金の標準額を四九万円と試算している。また、〇九年の前市長時代の行政訴訟での着手金は約三〇万円だった。
監査請求を出した「住民の視点で教科書をえらぶ会」共同代表の新垣重雄さんは「これだけの高額な報酬を、衆議院選を控える宮崎氏に支払ったのは、形を変えた政治献金ではないか」と指摘する。
宮崎氏は本誌の取材に「教育行政に与える影響が極めて大きく社会的にも関心が高い。混乱を回避することができる等の依頼者の利益が大きい」ことなどから、報酬額は「妥当である」と回答した。
この裁判は、「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版公民教科書を使用している石垣市と与那国町の生徒と保護者が、両市町を相手取り、東京書籍版の無償提供を求めた行政訴訟。昨年一二月二六日には那覇地裁が原告の訴えを退けている。
監査の結果は今月二二日に出される見通し。
(野中大樹・編集部、2月15日号)