上関原発、中電の免許失効を引き延ばす県
2013年3月6日5:56PM
「去年の10月7日で(公有水面埋め立て)免許が切れる、もう(上関)原発はできないと思っとったが(県は)免許失効を引き延ばして」
2013年2月7日、上関原発を建てさせない祝島島民の会の清水敏保代表は、山口県庁内の一室でそう語気を強めた。
同会などはこの日午前、上関原発予定地の公有水面埋め立てをただちに不許可とするよう、県に申し入れた。県は、中国電力による免許の延長について「申請は適法だから、申請内容の的確な把握に努め……適正に審査しなければ」(商工労働部・小泉良理事)と、すでに4回も中電に補足説明を求めながら、5度目の可能性を否定しない回答だった。
この免許は08年に当時の二井関成知事が中電へ交付。だが福島原発事故を受け埋め立て工事は中断、11年6月議会で知事は「免許の延長申請があっても認めず」と表明した。後任の山本繁太郎知事もそれを踏襲し昨年10月7日午前0時で免許は失効する見込みだった。だが中電は直前に延長申請。県の審査結果が出るまで免許は失効しない。
「(延長は認めない)前知事の意向を受け継いで、って知事は言うたでしょ? なんで(審査の補足説明に)4回もかかるん?」。ズルズル続く失効先延ばしに、祝島や各地から集まった約80人はその日午後、県庁前と県知事室前で抗議した。
(山秋真・ライター、2月15日号)