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辺野古違法アセス確認訴訟――環境への“死の判決”

2013年3月19日5:47PM

「いずれも棄却する」。裁判長の言葉に、原告席も傍聴席も一瞬凍り付いた。二月二〇日午後、沖縄県那覇地裁で行なわれた辺野古違法アセス確認訴訟の判決。米軍普天間飛行場代替施設=新基地建設が計画されている名護市辺野古の周辺住民をはじめ六二一人の原告が、事業者=防衛省沖縄防衛局による環境影響評価(アセス)手続が違法だとして、手続のやり直しと損害賠償を求めた訴訟だ。

 二〇〇九年八月の提訴から三年半。その間、酒井良介裁判長は、「門前払い」を求める被告=国の主張を退け、丁寧な審理と自ら現地調査も実施した。海上自衛隊まで動員した違法な事前調査、オスプレイ配備や埋立土砂の調達など多くの重要事項の後出し・隠蔽・途中変更などが行なわれ、専門家からも「史上最悪のアセス」と言われる実態が法廷で赤裸々になったにもかかわらず、その内容に一言も触れることなく、自ら退けたはずの「門前払い」への回帰に国の圧力を感じざるを得ない。

 安倍晋三首相の訪米直前の時期に、「辺野古移設推進の決意を伝える」オバマ大統領への“お土産”に水を差すような判決は何としても避けたかったのだろう。

 地裁前報告集会で、弁護団長の三宅俊司弁護士は「入口ですべて棄却した判決は絶対に許せない。裁判所が政府と一体となって、形式判断だけで逃げた」と指摘。原告団長の安次富浩さんは「事業をするためのアセスだということが証明されたが、造らせないことが県民意思だ。一歩も引けない」と決意を新たにした。桜井国俊沖縄大学教授は「環境を守ること自体への“死の判決”だ。現場の勝利で覆していこう」と呼びかけた。

 原告側は控訴の方針だ。

(浦島悦子・フリーライター、3月1日号)

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