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スラジュさん死亡は「殺人事件」ではないか

2013年4月23日5:54PM

講演する弁護団の飯田健太郎弁護士。(写真/原田成人)

 ガーナ人男性アブバカル・アウドゥ・スラジュさんが2010年3月22日、強制送還中に亡くなった事件で、支援団体APFSは3月31日、東京・豊島区で報告集会を開いた。

 事件をめぐっては昨年7月に入管職員10人が不起訴処分となり、一昨年8月、遺族が国賠訴訟を起こしている。国はスラジュさんの死因と職員による制圧行為の因果関係を認めず、タオルの猿ぐつわや結束バンドを利用した腕の固定などもスラジュさんの抵抗を理由に例外措置だったとしている。

 集会では、弁護団の飯田健太郎弁護士が、事件の経過と概要を説明。エジプト航空機内の座席に座らされるまで、スラジュさんが入管職員9人がかりの激しい制圧をうけていた事実を、改めて指摘。新たに入手した事件当日の記録ビデオの映像(撮影が義務づけられているが、機内での映像部分だけがない)からは、スラジュさんが入管側の証言にあるような激しい抵抗をしていた形跡が見られないことを報告した。

 APFS相談役の吉成勝男さんは「この事件が状況からみて明らかな殺人事件と言えるものであるにもかかわらず、誰も責任をとっていない」と指摘し、真相究明のためにさらなる支援を訴えた。次回の国賠訴訟口頭弁論期日は5月13日(月)東京地裁706号法廷。事件当日の記録ビデオが上映される予定。

(原田成人・業務部、4月5日号)

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