女性17団体が緊急共同行動を呼びかけ――比例定数削減は民意に反する
2013年5月28日5:00PM
一票の格差」について高裁から「違憲」と指摘されている衆議院小選挙区制度。「〇増五減」の新区割り法案について与野党が駆け引きをつづけるなか、比例定数削減に反対する女性団体が四月一八日、緊急共同行動を呼びかけた。
参加したのは日本婦人団体連合会や男女平等をすすめる教育全国ネットワーク、日本YWCAなど計一七団体。団体は同日までに各政党の代表や幹事長宛に要請書を送付。午後には衆議院議員会館内で会見を開いた。
日本婦人有権者同盟の小林五十鈴共同代表は「〇増五減という小手先の対策では小選挙区制度の問題は解決しない。(一九九三年の政治改革に携わった)河野洋平さんらも小選挙区の弊害を説いている」とし、選挙制度の抜本改革の必要性を訴えた。
教育全国ネットワークの永井好子氏は「一票の格差を是正しなければならないのに、比例定数を削減しようとしている。すれ違いもいいところ。受け止め方が違う」と批判した。
新日本婦人の会の笠井貴美代会長は「街頭でシール投票をやるといくつもある項目のなかで『政治家の劣化』に○をつける人が多い。民意とかけ離れた国会構成と政治家、これらの大本を糺せば小選挙区制と政党助成金にルーツがある」とし、比例代表制を中心とする制度への改革を求めた。
衆院における女性議員の割合は七・九%で、IPU(列国議会同盟)の調べによると加盟国一九〇カ国中一六三位。国連女性差別撤廃委員会からも改善措置を求められている。
一方、一七日に行なわれた党首討論で民主党の海江田万里代表は安倍晋三首相に対し「〇増五減だけでなく定数削減が(自民党と民主党の)一番大きな約束だ」と、比例定数の削減を求めている。
一七団体は今後、賛同する女性団体を増やしていく方針だ。
(野中大樹・編集部、4月26日号)