福島原発告訴団が総会――「検察は厳正な捜査と起訴を」
2013年5月31日5:16PM
福島県郡山市の労働福祉会館周辺では四月二七日、毎時〇・八マイクロシーベルトを記録した。国が定める「放射線管理区域」の基準(毎時約〇・六マイクロシーベルト)を上回るレベルである。原発事故の発生から二年が過ぎ、被災地・福島に対する世間の関心がいくら風化しようとも、放射能はやすやすと風化してくれない。
その同会館大ホールで同日、東京電力福島第一原発事故の責任者らを集団刑事告訴した「福島原発告訴団」の第二回総会が開かれた。福島県内をはじめ全国の告訴人二〇一人が参加し、
「なぜ検察はいつまで経っても強制捜査しないのか」
「事務局の対応は生ぬるいのではないか」
「証拠をもっと積極的に検察へ提供していくべきではないか」
など、告訴団事務局を“鼓舞”する意見が続出。予定の終了時間を一時間もオーバーするほどの熱い議論が繰り広げられた。原発事故で放射能汚染を引き起こした責任者たちの刑事責任がいまだ問われていないことに、告訴人たちの憤りはかえって増すばかりの様子で、会場は汗ばむほどの熱気に包まれた。
昨年三月の告訴団結成から一年が過ぎ、告訴人の総数は一万四七一六人に達し、検察当局に対して「厳正な捜査と起訴を求める」緊急署名では全国から一〇万八〇〇〇筆以上を集めるに至っている。
今後、告訴団では五月三一日(金)午後一時半から、東京・日比谷野外音楽堂で「福島原発事故の厳正な捜査と起訴を求める大集会」を開催する予定。同日午後四時からは東京地検前での「検事激励」行動、午後五時半からは東電前での抗議行動を計画している。
告訴団では同日、福島県からの直行バスを運行する予定だ。問い合わせは福島原発告訴団 TEL 080-5739-7279 または Mail info@1fkokuso.orgまで。
(明石昇二郎・ルポライター、5月10日号)