携帯電話電磁波遮蔽に一定の効果――小学校にシールド設置
2013年6月10日4:58PM
携帯電話電磁波を遮蔽するシールド・フィルムに一定の効果が見られた。
福岡県太宰府市の市立東小学校の保護者らが結成した「太宰府東小シールドの会」が、昨年六月から、携帯基地局に面した北側の窓にシールド・フィルムを設置する活動を始めた。
四月中旬、専門家に依頼して電磁波の精密な測定を行なったところ、窓を閉めると被曝量が一〇分の一に減衰することがわかった。
東小学校の校舎から約一〇〇メートルの場所に携帯電話基地局が設置されてあり、設置後間もなく児童や周辺住民の間で体調不良が発生していた(詳細は「金曜日」刊『本当に怖い電磁波の話 身を守るにはどうする?』)。
症状は「いらいらする」「体がだるい」「朝起きられない」など多様で、被曝量が最も高い校舎三階で症状を訴える子どもが多かった。
子どもは細胞分裂が活発なので、電磁波被曝によって、大人よりも大きな影響を受け、発達障がいとの関連を指摘する報告もある。同会の保護者によると、「この小学校では、入学した一年生の間で鼻血が頻繁に出ていた。ある子どもは、教室で座った際に基地局側(北側)に面した耳に炎症があったが、シールド・フィルムを設置した後は耳鼻科検診でも異常が見られなくなった」という。
これまでに、約半分の窓に設置したが、シールド・フィルムの購入資金が不足している。
同会によると、「約三〇万円のカンパを集め、出費を抑えるためにドイツからシールド・フィルムを直輸入し、保護者自身の手で設置してきた。新年度までにすべての窓に貼りたかったが、あと二〇万~三〇万円が必要だ」という。
なお、同会はカンパの協力を呼びかけている。振込先は下記。ゆうちょ銀行、記号:01700-8、番号:149816、名義:太宰府東小シールドの会
(加藤やすこ・ジャーナリスト、5月17日号)