『ブラック企業にご用心!』渋谷で上映イベント
2013年6月24日6:13PM
「社員は100円乾電池程度の扱いさ」
長時間労働などの違法労働を強いる「ブラック企業」をテーマにした映画『ブラック企業にご用心!-就活・転職の落とし穴ー』の上映イベントが5月10日、東京・渋谷UPLINKで開かれた。
監督は、現代の労働問題を追った作品を多く手がける土屋トカチさん。「ブラック企業という言葉は有名だが、テレビでは企業名が実名報道されない」と指摘し、企業名の公表と就職活動をする若者への啓発活動が必要と訴えた。
映画には、外食産業大手のワタミで過労死した森美菜さんの遺族が登場。重労働により苦しんだ美菜さんが2008年、入社2カ月で過労自殺したいきさつを語った。このほか、激安コンビニエンスストア「SHOP99」(現・ローソンストア100)の元店長が長時間労働・残業代不払いの実態を、気象情報会社ウェザーニューズの元労働組合員が不当解雇の実態を語った。
上映後のトークイベントにゲスト出演した若者の貧困・労働問題に取り組むNPO(非営利団体)法人「POSSE」の川村遼平さんは「働いていると、これが普通だと思ってしまう」と、ブラック企業の労働環境に警鐘を鳴らした。POSSEに相談を寄せる人の中には、ストレス性の内臓疾患や心身の変調に苦しむ人も多いという。「自分を追い詰めないでほしい」と会場に呼びかけた。
(渡部睦美・編集部、5月24日号)