復興庁の水野参事官がツイッターで暴言――子ども支援法をたなざらし
2013年7月1日5:02PM
復興庁の水野靖久参事官がツイッターで、約一年前に成立した「子ども・被災者支援法」の早期方針化を求める動きを誹謗するなどしていた問題で六月一四日、同法成立に携わった超党派の議員で組織する「子ども・被災者支援議員連盟」の緊急会合が参議院で開かれた。
昨年六月に議員立法として成立した「子ども・被災者支援法」は、(1)福島県に留まらない放射能高線量地域における「予防原則」に立った健康調査の実施(2)自主避難者に対する生活支援――等、国が手を付けてこなかった施策を盛り込んだ画期的内容。ところが復興庁や各官庁は法律を予算化するための基本方針策定や被災者のヒアリングをこの間実施せず、被災者から批判の声が上がっていた。
水野参事官は同法の担当者として、国会議員や被災者との交渉を担当。だがこの三月に国会内で開かれた同法に沿った施策の早期実施を求めるセミナーについて、「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席」などとツイート。さらに、「白黒つけずに曖昧なままにしておく」などという、同法をたなざらしにしておこうとする官庁の思惑を示したような表現もあった。
この日の緊急会合で「みどりの風」の谷岡くにこ参議院議員は、復興庁から説明のため出席した伊藤仁統括官に対し、「水野参事官一人の問題ではない。この一年間、『子ども・被災者支援法』を無視してきた復興庁の姿勢を反映している」と批判。さらに、「こうした参事官のおかげで、被災者の苦しみが長引いている。早急に庁として回復措置を取るべきだ」と迫った。
だが伊藤統括官は「お詫び」を口にしながらも、肝心の「子ども・被災者支援法」の基本方針策定や被災者ヒアリングについては一切確約を避けた。このため川田龍平参議院議員が「子どもたちの健康を考えれば、一日も待てない状態だ」と声を荒げる一幕もあった。
(成澤宗男・編集部、6月21日号)