今週の憲法調査会――参院で「新しい人権」の議論
2013年7月5日4:54PM
五月二九日午後「新しい人権」で参議院憲法審査会。参考人は高橋和之・明治大学法科大学院教授と土井真一・京都大学大学院教授。
冒頭、参院憲法審事務局から、憲法調査会では自公民三党は新しい人権(プライバシー権、環境権)を憲法に明記せよという意見だったが、他党は一三条、二五条などの包括的規定から読み取るべきで改憲の必要なしという意見。知る権利、自己決定権、生命倫理、知的財産権、犯罪被害者の権利などを憲法に明記すべきという意見は趨勢とはならなかったと報告があった。
両参考人からは立憲主義、とくに「個人の尊重」規定の重要性が強調された。新しい人権を憲法に書くかどうかは、徹底して立法措置で対応した後の話だとの意見があった。
質疑では井上哲士委員(共産)が安倍晋三首相らの「立憲主義は古い時代のもの」論を批判。福島瑞穂委員(社民)は自民党改憲草案が国民の憲法尊重義務を加えたり、基本的人権を制限する動きを批判。
舛添要一委員(改革)は「自分が関わった自民党の〇五年草案では『個人』としたのに、一二年案では『人』になった。感情論ではないか」と批判。
片山さつき委員(自民)が「自民案は前文に基本的人権の保障を入れたように、人権を尊重している」と反論したが、高橋氏は「表現を変えた理由がはっきりしないと議論にならない」と指摘した。
(高田健・許すな!憲法改悪・市民連絡会、6月7日号)