衆参両院に7万筆の請願署名を提出――関東の子どもにも健康調査を
2013年7月9日4:15PM
茨城県、千葉県北西部、埼玉県南東部にある三六の市民団体からなる「放射能から子どもを守ろう関東ネット」は六月七日、同地域に住む子どもの健康調査を国に求める請願書と署名を衆参両院二〇人の国会議員に提出した。署名は約七万三〇〇〇筆に上る。与党内では自民党の渡辺博道・衆議院議員、公明党の加藤修一・参議院議員が受け取った。
関東ネットは、福島第一原発の事故後に、外部被曝や内部被曝の原因となる「放射性プルーム」が同地域を通過したため、放射線による子どもへの健康被害を憂慮。請願書の中で、国が健康診断を定期的に継続して実施することを求めている。また、二〇一二年六月に成立した「原発事故子ども・被災者支援法」において、一一年度に一ミリシーベルト(mSv)/年を超えた地域を対象地域に含めることも訴えている。
社会民主党の吉田忠智・参議院議員は「この署名を重く受け止めます」とした。このほか、みどりの風代表の谷岡くにこ・参議院議員は「子どもを大事にできない内閣は未来がない。命を守るために、お母さんたちとがんばりたい」と、意気込みを見せた。
署名提出に参加した「こども東葛ネット」の堀越里沙さんは、子どもの小学校入学を機に、今年、千葉県松戸市から東京都国立市に引っ越した。「空間放射線量が低いと知り、引っ越しました。でも、実際のところはわからないですけどね」と、不安げな表情を浮かべた。健康調査は自費だと約一万五〇〇〇円かかるほか、被曝の検査をしてくれる病院が少ないという。
一方、福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が六月五日に発表した報告では、甲状腺がんと「確定」した人は前回二月から九人増の一二人に、「がんの疑い」は一五人に上った。同調査は震災当時一八歳以下が対象で、子どもの健康被害を浮き彫りにしている。
(渡部睦美・編集部、6月14日号)