絵本作家たちが「3・11後のメッセージ」
2013年7月12日2:07PM
絵本作家たちが描く「3・11後のメッセージ」を展示する「手から手へ展」が、東京都練馬区のちひろ美術館・東京で開かれている。会期は8月4日まで。呼びかけ人となったのは、スロバキアに住む絵本作家の降矢奈々さんだ。日本や欧米諸国の絵本作家110人の絵と原発へのメッセージが展示されている。
降矢さんが住むスロバキアは、チェルノブイリ原発事故が起きたウクライナに隣接している。「政府は本当のことを言わない。早く家族を避難させるようにと、現地の友人に言われました。ただ、渦中にいる日本の親や友達は、実際はいろいろな理由で逃げられない。葛藤がある。それをスロバキアの人に伝えたいと思ったんです」と、きっかけを語った。
当初は知り合いの日本人絵本作家たちの絵を現地で展示する小さな計画だったが、趣旨に賛同した他国の作家も参加し、昨年3月からヨーロッパ5カ国を巡回する大きなプロジェクトとしてスタート。今年3月からは長野県、そして現在の東京に至る。今後は島根や横浜、京都での展示が決まっており、「被災地での展示もしたい」という。展示会の詳細はホームページ
(URL http://handtohand311.org/)で確認できる。
東京の展示会場に設けられた感想のコーナーには幼い子どもの字でこう綴られていた。「早く緑が沢山はえて元のように生活ができますように」――。
(渡部睦美・編集部、6月14日号)