「原発フィクサー」訴訟――白川氏尋問は8月に
2013年7月12日1:45PM
「最後の大物フィクサー」という記事上の表現が名誉毀損に当たるなどとして白川司郎氏(原発警備会社ニューテック会長)がジャーナリスト・田中稔氏を相手に損害賠償を求めた訴訟の第九回口頭弁論が六月一九日、東京地裁(吉田徹裁判長)で開かれ、八月一九日に白川・田中両氏の尋問を行なうことが正式に決まった。
白川氏が提出した陳述書によれば、白川氏は香川県観音寺市出身で、東京都内の高校を卒業後、原発メーカーの日立製作所に一時勤務。その後日本大学法学部法律学科を中退し、複数の企業を経て一九八五年、ニューテックの設立にかかわった。
陳述書では、白川氏が大物官僚出身者や東京電力元幹部、自民党政治家と近しく、原発利権をめぐる政財界の「フィクサー」(つなぎ役)だった――といった記事内容について、これらを徹底的に否定。その上で、田中氏だけを訴訟相手にして六七〇〇万円を請求した理由については、田中氏が『社会新報』でも関連記事を書いた点を引き合いに出して、こう述べている。〈出版社を訴えることが一般的なのは、当然私も理解していますが、本件訴訟においては、本件記事さらには社会新報の紙面を利用し私の悪評を流布することが、被告個人の欲求であることは明らかですので、よって被告個人を提訴したものです〉。
本人・被告尋問は八月一九日午後二時~四時、東京地裁六一五号法廷で行なわれる。
(三宅勝久・ジャーナリスト、6月28日号)