今週の憲法審査会――憲法改正国民投票だけ「18歳投票」!?
2013年7月12日1:57PM
会期末の六月二六日までは間があるが、東京都議選、参議院選をにらんでのゆえか、憲法審査会も審議のテンポが早い。五日は参院、六日は衆議院で審査会が開かれた。
参院は前回にひきつづき「新しい人権」がテーマ。慶応大学の小林節教授と小山剛教授への参考人質疑。自民党の山谷えり子委員は「憲法は国柄や歴史、文化を国民と共有するもの」と主張したが、改憲派の小林教授から「家族仲良くなどと最高法規から説教されたくない。『法は道徳に踏み込まず』は世界の常識」と反論され、シュンとなった。小山教授も「新しい人権のためにだけ改憲の必要はない」と述べた。また小林教授は「立憲主義は時間と場所を超えて有効だ」とも言明した。
衆院は改憲手続き法の「附則」関連の「三つの宿題」(一八歳投票権に合わせた選挙権や成人年齢の引き下げなど)問題の議論。第一次安倍内閣当時、改憲を急いで審議を尽くさず、強行採決された結果、矛盾が露呈。同法が三年以内に実施を決めた「一八歳投票権」などは実現されないまま違法状態になっている。
日本維新の会や自民党は選挙権や成人年齢の法整備を待たず、憲法改正国民投票のみ一八歳以上とする同法の改正を主張。民主党も同調した。みんなの党は選挙権と同時実施、共産党はもともと強行採決で作られた法の体をなしていない同法の廃止を主張した。
(高田健・許すな!憲法改悪・市民連絡会、6月14日号)