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実現した支援は高速道路無料化のみ――被災者支援法の早期実行を

2013年7月12日1:56PM

自主避難者の支援や、予防原則に立った放射能高線量地域の健康管理などを定めた「原発事故子ども・被災者支援法」の成立から一年たった六月二一日、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」やグリーンピース・ジャパンなど五七団体が共同声明を発表し、一日も早い法律を実行化するための基本方針の策定を要求した。

 この一年間、政府が同「支援法」で定められた措置を実現したのは、避難者家族の高速道路無料化だけ。行政側が県外避難者の意見や要望を聞くための常設の協議機関もまったく開催されておらず、今後もメドがたっていない。

 このため声明は、「福島県外の被災者への健康診断の実施や、子ども・妊婦の医療費の減免措置も実現していません。……民間借り上げ住宅の新規適用は打ち切られ、新規避難は極めて困難になりました。乏しい支援の中、避難者の経済的・精神的苦境はより深まっています」と批判。「政府に対し、一年間にわたり支援法の条文を無視した不作為に対して強く抗議」すると強調している。

 一方、同日には国会内で自主避難者やその支援団体など約一五〇人が集まり、同「支援法」成立から一年を記念した集会が開催。席上、郡山市から静岡県へ家族と避難中の長谷川克己さんが発言にたち、「子どもの命を守るため県外に避難したが、生活苦で私たちのような家族の疲弊は限界だ。そのため、やむをえず汚染されていると知りながら福島に帰った家族も少なくない」と、政府の「不作為」によって苦しめられている自主避難者たちの苦悩を訴えた。

 また、議員立法として同「支援法」の成立に尽力した川田龍平参議院議員は、「役人がまったく動こうとしないが、どうしてもこの法律を機能させなければ子どもたちの命が守れない。世論を盛り上げ、政府に実施を迫るしかない」と決意を述べた。

(本誌取材班、6月28日号)

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