佐藤防衛政務官が山内議員の発言取消し要求――基地建設批判に「暴言だ」
2013年7月19日1:34PM
社民党の山内徳信参議院議員が六月一一日の外交防衛委員会で、「辺野古新基地建設は人殺しをする戦争目的の飛行場建設」と発言したことに対し、自衛隊出身の佐藤正久防衛大臣政務官(自民党参議院議員)が「暴言だ」などとして、「発言の取り消しか議事録の修正」を求めていた。
佐藤政務官は自身のツイッターにも同日、「『人殺し基地』の暴言に、不思議だが、すぐ反応したのは佐藤だけだった。委員長や質問調整した野党筆頭理事も無反応」「これはおかしいと思う」などと書き込み、政府側でありながら自民党の同委員会の理事を通じて審議内容に介入し、山内議員を攻撃したことを認めている。
このため二〇日に開かれた同委員会で、民主党の柳田稔議員が「憲法で保障された言論の自由の侵害だ」と追及。さらに同委員会の理事会でも佐藤政務官に対する批判の声が出たため、同政務官は二五日の理事懇談会で、「なかったことにしてほしい」と求め、事実上発言を撤回した。
山内議員は、「米軍は沖縄の基地からベトナム戦争やイラク戦争等に出撃した。戦争とは人を殺すことであり、基地もそのためにある。なぜ発言の取り消しを求められねばならないのか」と語っている。
佐藤政務官は元陸自イラク先遣隊長時代に、「(警護に当たっていたオランダ軍が攻撃されれば)情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」などと述べ、法的に問題ある言動で批判を浴びた人物だ。
参院選を前に自民党は、佐田玄一郎前衆院議運委員長と西村康稔内閣府副大臣の買春スキャンダルが発覚。六月二五日には丸川珠代厚労大臣政務官が参院厚生労働委員会で、人材派遣会社の新聞広告に同政務官として登場した問題で問責決議案が可決された。今回の佐藤政務官の言動も、自民党のおごりとゆるみが示された形だ。
(成澤宗男・編集部、7月5日号)