第二回ノミネートは七社一法人――ブラック企業大賞候補決まる
2013年7月19日12:10PM
「第二回ブラック企業大賞2013」の授賞式が八月一一日、東京の在日本韓国YMCAで開催される。このイベントは労働者に不当な待遇を強いる企業を「表彰」することで、労働環境の改善や、ブラック企業を生み出す社会構造を広く世に伝えるのが狙い。
六月二七日、実行委による会見が開かれ、今年度の大賞にノミネートされた企業の名称と、その選定理由が説明された。
実行委では、「ブラック企業」を労働法やその他の法令に抵触、またはその疑いのある条件下で、労働を意図的・恣意的に強いる企業と定義。パワハラなど暴力的強制を従業員に強いる企業や法人も、ここに含まれる。今回、大賞の候補とされたのは合計で七社一法人(下表参照)。業種は多岐に及び、知名度の高い企業名がならぶ。
会見で実行委の河添誠さん(首都圏青年ユニオン青年非正規労働センター事務局長)は、「これらの事案に共通するのは、具体的に遺族の方が会社側に責任を追及したこと。ただし、当事者が告発できない事案も非常に多い」と説明。
さらに「二〇〇八年、精神疾患と過労で亡くなられた森美菜さん(当時ワタミ従業員)は、客観的な判断ができなくなるほど疲弊していた。簡単に抜け出せない構造にブラック企業の怖さがある」(松元千枝さん・レイバーネット日本)、「この企画を通して労働者や遺族の方が立ち上がった事例も紹介したい」(土屋トカチさん・映画監督)と、さまざまな声が上がった。
実行委は七月五日に東京・阿佐ヶ谷のロフトでプレイベントも企画。このたびの候補選定に至った経緯などを詳しく話すという。
インターネット上ではウェブサイトも開設しており、八月の「授賞式」に向け、閲覧者が企業に投票できる仕組みとなっている。
URL http://blackcorpaward.blogspot.jp/(「ブラック企業大賞」公式サイト)
(内原英聡・編集部、7月5日号)