鮫川村で放射性廃棄物の焼却炉運転へ
2013年8月5日3:54PM
「なんでこんな村の奥の端っこに作るの? 安全なんだったら村の中央に作ればいいじゃない、これじゃ東京に作らず福島に作った原発と一緒だよ!」
福島県東白川郡鮫川村に、8000Bq/kgを超える高濃度放射性廃棄物の「仮設」焼却炉が作られ、7月18日に確認運転が行なわれた。その結果をもって8月半ばに本格運転に入り、約20カ月間焼却を続けることになっている。
冒頭の言葉は鮫川村の土手内進さん(33歳)だ。「1歳2カ月の娘がいます。健康で仲良く暮らしていきたいだけ。1万Bq/kgを超えるものも燃やして、うちは1キロメートルも離れてなくて、何かあったら誰が責任とってくれるの? 原発事故でさえ誰も責任とってないのに」――。
地権者の一人、堀川宗則さん(58歳)も焼却炉に反対している。「同意書に署名捺印していないのに、地権者全員の同意が取れたことになっていた。おかしい、同意書を見せてくれ、と役場に申し立てをしている。めちゃくちゃすぎて話にならない。すぐに壊して元に戻してもらいたい」と語った。
土手内さんと堀川さんは7月18日、視察にきた井上信治環境副大臣に直接要請書を手渡した。これに対し井上環境副大臣は、「要請書を精査して回答します」とした。同日、近隣の住民からも抗議の運動が行なわれた。
(おしどりマコ・ケン、7月26日号)