警官隊によりホテルに強制連行――韓国議員が安倍政権に抗議
2013年9月3日4:39PM
安倍晋三政権の右傾化路線に抗議するため、来日して靖国神社で抗議声明を発表する予定だった韓国の三人の国会議員のうち一人が八月一五日、同神社手前の千鳥ヶ淵戦没者墓苑付近で強制的に警官によって車輛に乗せられ、宿泊先の都内のホテルまで連行された。
今回来日したのは、韓国最大野党・民主党の李鍾杰、李相ミン(王+民)、文炳浩の三議員。一五日朝にホテルを出発して靖国神社に向かおうとした際、入り口で三〇人近い私服警官が「右翼が集結しているため警備上危険だ」として、神社に行かないよう要求した。
三議員は押し問答の末、タクシーで靖国神社に向かったが、途中で警察側から道路で止められ、強制的に千鳥ヶ淵戦没者墓苑付近で下車させられた。そこで議員らは警官に囲まれながら抗議声明を読み上げるなどしたが、神社に進もうとした李鍾杰議員ともう一人の民主党関係者が、警官隊によって無理矢理車輛に押し込められ、ホテルまで連行されたもの。
混乱後、その場で記者会見した李相ミン(王+民)議員は「太平洋戦争で犠牲になった日本国民に哀悼の言葉を捧げる」としながら、「軍国主義を復活させようとしている安倍首相の愚かさを強く警告する」と強調。また文議員は、安倍政権を「過去への反省がないため、韓国との関係や北東アジア・世界との友好関係を脅かしている」と批判し、右傾化路線を止めるよう訴えた。
本誌のインタビューに応じた李鍾杰議員は、「いきなり大勢の警官に力ずくで車に押し込められて驚いた。韓国の独裁政権時代と同じやり方だ」と怒りを表明しながら、「国会で侵略を否定し、改憲を目論みながら自衛隊を攻撃的な軍隊にしようとしている安倍政権は、軍国主義の亡霊が甦ったようだ」と指摘。さらに「多数の日本国民は、こうした動きに同調しないはず。ともに連帯し、韓日の未来を築きたい」と述べた。
(本誌取材班、8月23日号)