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会議傍聴者の言動を記録――都教委が異常な監視

2013年9月27日8:58PM

 

傍聴人の言動を監視した都教委の監視記録。情報公開請求で判明した。(提供/永野厚男)

傍聴人の言動を監視した都教委の監視記録。情報公開請求で判明した。(提供/永野厚男)

  東京都教育委員会が七月二五日の会議傍聴者の言動を、事務局職員に監視・記録させた用紙の内容が九月四日、情報公開請求した都民への取材で明らかになった。

 都教委の定例会等の傍聴者は開始前、番号を振った申込書に氏名・住所・年齢を書かされる。都教委は「七月一一日の定例会で、ある傍聴者が議事妨害した」とし、同月二五日の定例会から傍聴席に申込番号と同じ番号を付け、職員一〇人が定員二〇人の傍聴者を背面監視、一人一人の言動(○時○分)と性別、特徴(服の色、眼鏡、ネクタイ、髪型等)をA4判用紙に記録する態勢を敷いた。

 七月二五日の記録には、(1)審議時間外に「実教出版防(ママ)害はダメ」「都教委は不公正。自分たちの考えと合わないと……」「だから育朋(ママ、「鵬」の誤字)社をとったのね」と複数の男女が発言、(2)審議時女性が「報道規制」と言った、などの記述があり、傍聴席の番号付きの紙を入室直後「持ち帰っていい?」と質問した一言や、「首を横に振った。前かがみになって資料を見ている」といったしぐさまで監視・記録していた。

 同日は「君が代強制問題に触れた実教出版教科書の選定は不適切」とした全都立高校長宛通知撤回を求める請願を、教育委員会が審議なきまま実質不採択にした。(1)はそのことをめぐる発言。(2)は不採択決定直後、警察官僚出身の竹花豊委員が傍聴席横の報道陣に「権限なき者がモノ言うのが『介入』。都教委がその権限と責任で採択を行なうのに、一部メディアが通知を『都教委の介入』と報じたのは極めて不適切」などと“説教”したことに起因する。

 神奈川県教委や東京の区市教委にこういう監視態勢はなく、傍聴者有志が「都個人情報保護条例に基づき都教委自身が作成した『個人情報取扱事務届出事項』にない傍聴者の個人情報収集は違法だ」と抗議した。都教委教育政策課の神山直子担当課長は「客観的事実・状況を記録しただけ。会の円滑な運営上、必要だ」と回答した。

(永野厚男・教育ライター、9月13日号)

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