国連での安倍首相発言に批判――ごまかし許さない!
2013年10月18日7:22PM
「慰安婦」問題解決に取り組む団体・個人が参加する「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」(梁澄子、渡辺美奈共同代表)は九月二七日、安倍晋三首相が国連総会で「女性に対する性的暴力」について発言したことに対し、首相が「『慰安婦』問題の事実と責任を直視し、被害者への謝罪と賠償を直ちにおこなう」よう求める緊急声明を発表した。
安倍首相はこれまで、「慰安婦」について「『朝日新聞』の誤報」によって「まるで事実かのように、日本中に伝わっていった」(二〇一二年一一月の党首討論)などと、問題自体が存在しないか、存在しても「狭義の強制性を裏付ける証言はなかった」(〇七年三月参議院予算委員会)として政府責任を回避する言動を繰り返してきた。
国連総会で安倍首相は、「慰安婦」問題に触れずに「二一世紀の今なお、武力紛争のもと、女性に対する性的暴力がやまない」として、「不幸にも被害を受けた人たちを、物心両面で支えるため、努力を惜しまない」と演説している。
これについて緊急声明では、「自らの責任からは目を背け、『イメージアップ』のためにこれ(女性に対する性的暴力)を利用しようとしているのだとしたら、断じて許すことはできない」と批判。さらに、「日本政府が女性の権利を守る国際的な取り組みを支援することは歓迎すべきことである。しかし、そのことをもって日本軍『慰安婦』被害者に対する加害責任を免れたり、ほんの少しでも薄めたりすることはできない。また、二一世紀の武力紛争下の性暴力を強調することで、二〇世紀の日本の戦争犯罪をごまかすことはできない」と指摘している。一方、米『ウォールストリート・ジャーナル』紙も九月二五日付で、「首相は、米国で『慰安婦』が話題になっていることに困り、日本は変わったかのように示そうとした」との日本人識者のコメントを掲載している。
(成澤宗男・編集部、10月4日号)