沖縄の八重山教科書問題をめぐり集会――石垣市教育長の早期辞任を!
2013年11月15日3:00PM
沖縄県の石垣市議会が玉津博克市教育長に対する不信任決議を可決したことで、玉津氏の「早期辞任を求める集会」(同実行委員会主催、富里八重子委員長)が一〇月二二日夜、同市内で開かれた。集会には同市や竹富町から二〇〇人以上が参加し、玉津氏への批判や教育行政を危惧する声が広がり、辞任を求める決議が採択された。
玉津氏は二〇一一年に同氏が会長を務める教科用図書八重山採択地区協議会で選定方法を変更し、調査員が推薦していない教科書を選定。同地区内の竹富町教育委員会(慶田盛安三教育長)は選定過程が不透明だとして、協議会の選定とは異なる教科書を採用した。
このため、教科書の採用を各教育委員会にゆだねる地方教育行政法と協議会の選定に従って教科書を無償で受ける教科書無償措置法の整合性が取れなくなり、文部科学相が県教育委員会に「竹富町教育委員会に対する是正要求(指示)」を行なう事態となった。
教科書問題をはじめ、玉津氏は琉球大学との教育支援事業で特定の准教授排除を求めたことや、市議会の一般質問で、現行の平和教育の弊害は「戦争に対する嫌悪感から派生する思考停止」と答弁したことに非難が相次ぎ、不信任決議が可決されている。
集会では市議の前津究氏が不信任決議の経過を報告したほか、富里委員長をはじめ「子どもと教科書を考える八重山地区住民の会」の藤井幸子、「竹富町の子どもに真理を教える教科書採択を求める町民の会」の仲村貞子、「住民の視点で教科書を選ぶ会」の川上博久の各氏が意見を発表し、玉津氏を糾弾する声が相次いだ。
集会などに初めて参加するという三〇代の男性は「子どもが義務教育を受けはじめる年齢なので、玉津氏を批判する声がどれぐらいなのかと来てみた。こんなに熱気があるとは」と不信任決議の重要性と会場の雰囲気に戸惑っていた。
(上地矢寸志・『八重山毎日新聞』記者、11月1日号)