橋下徹大阪市長が特定秘密保護法案を批判――「ツワネ原則」に則れ?
2013年12月3日6:02PM
特定秘密保護法案の修正協議が始まったばかりの一一月一四日、「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長が記者会見で与党案を痛烈に批判した。
「権力の力が強まるところほど情報開示させないと。国家権力は、いざとなったら人の命を奪える」と警告を発したのだ。
今年六月、南アフリカのツワネで人権問題と安全保障の両方の専門家が集まり、安全保障の秘密保護と知る権利を両立させる「ツワネ原則」が採択されたが、今回の法案から抜け落ちている。「『欠陥法案ではないか』との指摘もある」と問うと、橋下氏はこう答えた。
「『ツワネ原則』というものがあれば、それに則っていったらいいのではないですか。歴史を振り返ってみても、権力というものを適正に扱える人はそんなにいないと思います。だから国家権力を考えた時には、情報公開がやっぱり原則」「維新の会は(自公の)原案について反対しています。ツワネ原則について僕も勉強してみます」
さらに数で勝る自公の強行採決を想定してか、橋下氏は次期総選挙での安倍政権打倒にも言及した。
「ここでこそ『朝日新聞』が頑張らないといけない。それこそ国家権力の暴走につながりかねない。最後はこれはまた日本の仕組みは素晴らしいと思うのですが、選挙で負けたら政権は変わる。政治家は最後は選挙を恐れる。そこに働きかけるのはメデイアですよ」
一方、民主党の海江田万里代表も足並みを揃える。一一日の会見では「ツワネ原則はひとつひとつ読んで、(与党案から)抜け落ちていることを確認しました。ツワネ原則を参考にしながら、特定秘密保護法案を厳しくチェックしたい」と意気込んだ。
「国際標準未達の“欠陥法案”ゴリ押しの自公政権(補完するエセ野党のみんなの党も含む)対ツワネ原則遵守の野党」との構図が明確になってきた。
(横田一・ジャーナリスト、11月22日号)