日本原子力研究開発機構に要請文を提出――もんじゅの廃炉求めてデモ
2014年1月15日6:23PM
一九九五年一二月八日に火災事故を起こした高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉にしよう――。事故から一八年の一二月七日、もんじゅのある福井県敦賀市で、全国集会(主催・福井県民会議、ストップ・ザ・もんじゅなど)が開かれた。
集会に参加したルポライターの鎌田慧さんは「六ヶ所村の再処理施設建設は六九年には決まっていたが、計画が判明したのが八四年。それまでずっと秘密にされた。特定秘密保護法の制定でますますこうしたことが秘密にされる。再処理施設ができて地元経済は疲弊している」などとした。柏崎刈羽原発反対三団体の武本和幸さんは「もんじゅと美浜原発の間を走る白木・丹生断層はマグニチュード6・9の地震を引き起こす活断層。それらの痕跡が地表で露出している所もある」と危険性を指摘した。
原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「(日本原子力研究開発機構の)松浦祥次郎理事長が最近、もんじゅのことを高速炉と表現したように事業者自らからも増殖の文字は消えている。新たな燃料を生む、などただの夢で苦し紛れに放射性廃棄物の低減化研究施設としているだけ。毎日使われる五〇〇〇万円以上の大半がナトリウムを温める電気代に使われるだけ」と話した。反原発運動全国連絡会の末田一秀さんは「新たな原子力災害対策指針では原子炉から五キロ以内の住民について確定的影響(急性障害)はなんとか避けてあげるけど確率的影響(晩発障害)は我慢しなさいということに変わった」などと警鐘を鳴らした。
これに先立つ午前、デモ参加者はもんじゅの見える白木海岸に集結。上空で県警のヘリが警戒飛行をする中、小浜市の名刹明通寺住職の中嶌哲演氏が「国民の大運動を巻き起こすとき」などと訴えた。参加者はシュプレヒコールを挙げながらもんじゅのゲートに向かい、同機構の管理課長に廃炉を求める要請文を手渡した。
(粟野仁雄・ジャーナリスト、12月13日号)