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攻撃から5年、朗読劇でガザを問う

2014年1月17日6:03PM

空爆の映像を背景に朗読劇。(提供/劇団)

空爆の映像を背景に朗読劇。(提供/劇団)

 圧倒的な暴力によって人間性が否定される状況下にあっても、人は希望を見いだしうる――。イスラエルは封鎖していたガザに5年前の2008年12月~翌年1月、空爆などの攻撃をしかけ、1500人の死者を出した。この出来事をうけて、現代アラブ文学研究者の岡真理さんが書いた朗読劇『The Message from Gaza ~ガザ 希望のメッセージ』が、12月13日・14日、東京都内で再演された。

〈忘却が次の虐殺を準備する〉という言葉を今回の上演にあたり岡さんは引いているが、市民にパレスチナに対して関心を持ちつづけてもらうことで蛮行を許すまじと企画されたもの。75人収容の会場は各回超満員となった。

 脚本は、岡さん自身が「思想としてのパレスチナ」研究を志す契機となったガッサーン・カナファーニーの1956年の作品など、三つのテクストをコラージュした。肉声によって芸術作品としての生命を与えたのは「国境なき朗読者たち」。素人ではあるが、「5年前の侵攻をリアルタイムで知らなかった」という学生らの好演も目立った。

 日本国際ボランティアセンターの金子由佳さんによると、現在のガザは、エジプト側の物資搬入のトンネルの多くが封鎖された影響で、供給量が以前の15%まで落ち込み、資源の不足で市民生活は困窮を極めている、という。ガザの現実は5年前と変わっていないのだ。

(小林和子・編集部、12月20日号)

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