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国連軽視の日本政府に抗議――人権勧告の実現を!

2014年2月20日6:47PM

「すべての人に尊厳と人権を!」と東京・渋谷の街をデモ行進。(撮影/西中誠一郎)

「すべての人に尊厳と人権を!」と東京・渋谷の街をデモ行進。(撮影/西中誠一郎)

「国連・人権勧告の実現を! すべての人に尊厳と人権を」と題した集会が1月25日、開かれた。

 日本政府は1960年代末から国連の人権条約を批准するようになった。「人種差別撤廃条約」「自由権規約」「社会権規約」「難民条約」「女性差別撤廃条約」「拷問等禁止条約」「子どもの権利条約」「障害者権利条約」などである。それぞれの条約委員会は加入各国の人権状況を検証するため、政府報告書の提出と定期審査を義務づけており、日本政府に対しても多くの勧告が出されてきたが、政府は状況改善に消極的だ。

 集会は「大熊ワタルとジンタらムータ」の自由闊達な演奏に始まり、参加団体の発言が続いた。

 安倍政権下で公人の暴言が相次ぐ「従軍慰安婦」問題、国連人権理事会から「奴隷的」とされた外国人技能実習制度、世界141番目にやっと批准された障害者権利条約、「性的マイノリティ」への人権侵害、朝鮮学校の「高校無償化」排除、被差別部落やアイヌ・沖縄差別、教育現場の「日の丸・君が代」強制と処分問題、国連人権高等弁務官から懸念表明された特定秘密保護法、福島原発事故被害者の人権救済など、市民社会と協力して政府が誠実に取り組むべき人権問題ばかりだ。しかし日本政府は「従軍慰安婦」問題への拷問禁止委員会勧告に対して、昨年6月「法的拘束力がないから従う義務なし」と閣議決定するなど、国連の人権勧告を軽視・無視している。独立した「国内人権機関」の設置や、各条約で定めている「個人通報制度」の批准もいまだに実現していない。

「日本政府は『積極的人権主義』こそ目指すべき」。田中宏一橋大学名誉教授は集会の最後に訴えた。

(西中誠一郎・ジャーナリスト、2月7日号)

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