国会スニーカー抗議の公判決まる――秘密保護保法無効に
2014年3月7日5:12PM
歴史的な悪法・特定秘密保護法は憲法違反であるとして、静岡県の藤森克美弁護士が2月13日、国を相手取り同法の施行差し止めなどを求める訴訟を静岡地裁に起こした。安倍政権は同法案を昨年12月6日に強行採決で成立させ、今秋の施行を目指している。
一方、この強行採決に抗議し、参議院本会議場でスニーカーを投げつけ、威力業務妨害の容疑で現行犯逮捕された静岡県島田市の会社員Aさん(45歳)の第1回公判が3月26日(水)に東京地裁で開かれることが決まった。
Aさんは逮捕の翌日(12月7日)から勾留され(同月27日に起訴)、保釈請求も却下されたまま、現在も東京拘置所に拘置されている。時間と自由と生活を奪われて約70日間。勾留後5日目からは取り調べがないにもかかわらず、家宅捜索が行なわれ、家族と共用のパソコンも押収された。これ自体が著しい人権侵害だとして、大学教授らが無条件解放を求める救援署名を展開し、2月半ばまでに約6500人の署名が集まっているという。
一瀬敬一郎弁護士は「秘密保護法はわれわれの宝である憲法を破壊しようとするもの。その根本にある日本国憲法を守ろうというのがAさんの行動であり、Aさんの逮捕および長期の勾留は国民主権を踏みにじる弾圧にほかならない」と話す。Aさんは拘置所の中から「安倍政権の暴走をこれ以上許してはならない。われわれの、そしてのちの世代のために、この法を無効に」と訴え続けている。
1991年にPKO法(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)に反対し、Aさんと同様の抗議をした人が執行猶予つきの有罪判決を受けた。弁護団は「検察も裁判所も前例主義で、初めに結論ありきではないか」と懸念するが、国家にレッドカードを示す者は弾圧されるという前例にしてはならない。
(これひさかつこ・ジャーナリスト、2月21日号)