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『週刊朝日』『週刊新潮』『週刊文春』らの出自報道――橋下徹氏が名誉毀損で提訴

2014年5月2日5:19PM

『週刊朝日』(2012年10月26日号)が橋下徹大阪市長の出自を暴いた記事を掲載した問題で、橋下氏が名誉を毀損されたとして発行元の朝日新聞出版と、筆者の佐野眞一氏に5000万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしていた。

第一報の『朝日新聞』(3月29日付)の記事は「訴状によると、橋下氏は出自により差別する不当な記事で社会的評価が低下し、プライバシー権も侵害されたと主張。精神的苦痛への賠償を求めている」としている。

朝日新聞出版は12年10月、『週刊朝日』の記事に対し橋下氏が激しく抗議したことから、連載の予定を第1回で打ち切り、橋下氏に公開の場で謝罪した。翌月、朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」が「出自を根拠に人格を否定するという誤った考えを基調としている」「被差別部落の地名を特定するなど差別を助長する」との見解をまとめ、朝日新聞出版社長が辞任した。

一方、部落解放同盟は「差別記事の被害者は橋下氏だけではなくすべての被差別部落出身者だ」として朝日新聞出版に抗議文を提出。その後、両者による「確認会」「糾弾学習会」が計5回開かれた。昨年10月の糾弾学習会で朝日新聞出版は社長が「反省と決意」文を読み上げて収束を図っている。

そこへ今回の橋下氏の提訴となった。『朝日新聞』記事によると、橋下氏は『週刊朝日』の記事の1年前に出た『週刊新潮』(11年11月3日号)と『週刊文春』(同)の記事についても、損害賠償を求める訴えを同地裁に起こしている。両誌も「出自を暴いた」として部落解放同盟の抗議を受けていた。

『週刊朝日』元編集長は解放同盟との確認会で「他誌も報じているのでハードルが下がっていると感じた」と話している。橋下氏の提訴は、ジャーナリズム全体のあり方を問う裁判になりそうだ。

(平野次郎・フリーライター、4月18日)

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