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トルコの市民団体から抗議書簡も――反対の声にも原子力協定承認

2014年5月12日7:07PM

現地で原発に反対の声を上げ続けている住民ら。1月22日トルコにて。(提供/守田敏也)

現地で原発に反対の声を上げ続けている住民ら。1月22日トルコにて。(提供/守田敏也)

トルコおよびアラブ首長国連邦(UAE)との原子力協定が4月18日、自公民の賛成多数により、国会で承認された。

とりわけトルコとの原子力協定は、トルコおよび日本の市民社会から強い反対の声があがっている。4月4日には、100以上のトルコの市民団体から、協定反対を求める書簡が国会議員に届けられた。

反対の声があるのには理由がある。まず、トルコは世界有数の地震頻発地帯だ。「たとえプラントが耐震設計を満たしていたとしても、道路や送電線などのインフラが壊滅的な打撃を受けるでしょう」と指摘するのは「環境・持続社会」研究センターの田辺有輝さん。国税11・2億円で、日本原電による地層調査が進められているが、報告書は開示されていない。

トルコのシノップには、三菱重工業などによる原発建設が予定されている。「シノップは漁業と観光のまちです。住民は、故郷の美しい自然や海を守りたいと思って命がけで反対しているのです」。現地を取材したジャーナリストの守田敏也さんはこう語る。現地では、言論の自由の束縛やデモ参加者への厳しい弾圧により、死傷者が発生する事態にもなっている。

シノップ市長のバキ・エルギュル氏は、原発反対を掲げて当選。世論調査では6~8割が原発に反対している。国会では多くの野党議員がこれらの点を指摘したが、政府は、「反対の声は限定的なものにすぎない」と答弁した。

また、両国政府の書面同意があればトルコ国内での濃縮・再処理が許可されることになっている点も問題だ。

原子力協定に関しては、民主党も党として賛成した。これに対し、同党の増子輝彦参院政審会長は投票を棄権、生方幸夫幹事長代理と近藤昭一党総務委員長は退席して、役職を解任された。増子議員は、「福島の現状を考えたら到底賛成できない」と訴えた。

(満田夏花・FoE Japan、4月25日号)

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