日本人主催で日韓友好パレード――韓国でも差別に反対
2014年5月13日5:59PM
「NO! RACISM 日韓友好ソウルパレード」との横断幕を掲げたデモ隊が、韓国のソウル中心部である光化門一帯を闊歩した。日本各地で起きている差別感情を扇動するヘイトスピーチに反対するパレードだ。
同パレードは4月20日、「日韓なかよくしようぜ会」の呼びかけで開かれた。参加者は約30人。韓国現地に住む韓国人や日本人が中心で、日本から駆けつけた人もいた。
「日韓なかよくしようぜ会」の会長である桜井信栄さんは、南ソウル大学で助教授を務める。ヘイトスピーチを繰り返す「在日特権を許さない市民の会」(在特会)に抗議するため、昨年5月頃から、「反韓デモに反対します」などといったプラカードを一人で掲げ、抗議行動を行なってきた。日本での抗議行動にも昨年は7回参加した。
昨年9月に東京都内で開催された「差別撤廃 東京大行進」には賛同人にも名を連ねた。そこで知り合った大阪からの参加者に、「次はソウルでできないか」と言われ、準備を進めてきたのだ。一方、韓国では、桜井さんの抗議行動が全土で大きく報道され、賛同する声が広まっていた。こうしたことから、今回のパレード開催に至ったのだという。
パレード当日、一行が通ると、沿道からは日本語で、「がんばれー!」「ありがとうー!」などの声援が飛んだ。
桜井さんは「今日の新しい出会いを大切に、日韓友好の輪がさらに広がることを願ってやみません」と話す。普段、大学で講義をしていると、必ず一人は日本に行ったときにヘイトスピーチに出くわしたとの経験を持つ学生がいるという。「だけれども、そんなことで日本を嫌いにはならないと言ってくれる学生が多い。憎悪は連鎖しないんです」と熱を込めた。
20日と19日には、ソウルでのパレードに賛同し、東京、大阪でも差別反対のパレードが行なわれた。
(渡部睦美・編集部、4月25日号)