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アベノミクスで賭博を礼賛?――カジノ解禁推進法案の廃案を
2014年6月4日4:38PM
憲法で禁じられている賭博を合法化しようというカジノ解禁推進法案に反対する集会が5月15日、東京・永田町の参議院議員会館会議室で開かれた。9日に同法案の廃案を求める意見書を提出した日本弁護士連合会の主催で、超党派の国会議員も駆けつけ「廃案にしよう」と気勢を上げた。
いわゆるアベノミクスの成長戦略に位置づけられている同法案(正式名は、「カジノ解禁」を中心とした統合型リゾートの整備を政府に促す推進法案)は昨年12月、自民党と日本維新の会、生活の党が共同提出。公明党は共同提出を見送ったが、超党派の「カジノ議連」(国際観光産業振興議員連盟)には民主党、みんなの党、公明党の議員も加盟している。この日は同法案に反対している共産党の大門実紀史、社民党の福島みずほ両参議院議員のほか、小川敏夫(民主)、糸数慶子(無所属)、山本太郎(新党ひとりひとり)の各参議院議員も参加。「まったく正当性のないギャンブル依存症促進法案」「カジノ議連に加盟している人でも積極的でない議員もいる」などと反対を表明した。
集会では競馬での多額の借金で自己破産した被害者が自らを振り返りギャンブルの怖さを報告。日弁連消費者問題対策委員会委員の吉田哲也弁護士が日弁連の意見書について、「法案でも10条で弊害を指摘している。これが成立すると刑事罰をもって賭博を禁じてきた立法趣旨が損なわれる」などと説明した。柴田武男・聖学院大学教授は、ラスベガスのある米国でもカジノ問題を調査する法律を作りそのリスクを2年かけて調査したことや、2000年にカジノを解禁した韓国では犯罪率や自殺率が高まり、ギャンブル産業の売り上げの4倍近い社会的損失があるという試算などを紹介。「日本では社会的コストの調査がない。せめて米国が実施したような調査をすべき」と指摘した。
(片岡伸行・編集部、5月23日号)
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