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フリージャーナリストらが訴訟――「秘密保護法は違憲」
2014年7月18日7:15PM
フリージャーナリストら総勢43人が国を相手取り、特定秘密保護法の違憲確認と施行差し止めを求める裁判の第一回口頭弁論が6月26日、東京地裁で開かれた。
憲法が保障する基本的人権のうち、特定秘密保護法により報道・取材の自由や国民の「知る権利」、学問の自由などが広範囲に侵害されるなどとして提訴したもの。第一回弁論では於保清見、丸田潔、安田浩一、寺澤有の4氏が原告団を代表し、それぞれの取材経験を踏まえて意見を陳述した。
警察など公務員の不祥事を長年追及する寺澤氏は、日本の役所が記者クラブ加盟社の記者に便宜を図る一方、フリーランスを差別している具体例を列挙。こうした現状と照らし合わせても、「出版又は報道の業務に従事する者」による「専ら公益を図る目的」での取材は処罰対象としないとする条文(特定秘密保護法第21条2項)に「フリーランスも含まれる」とした岡田広内閣府副大臣の見解は、「とうてい信じられ」ず、フリーランスの取材・表現活動は壊滅的な打撃を受けると主張した。
不当な差別や排外主義をテーマにした著作で知られる安田氏は、特定秘密を取り扱う公務員や民間業者を対象に実施される適性評価制度に言及。本人のみならず家族や配偶者、その親族のプライバシーまでも調査対象とする同制度が、「社会全体に差別と偏見、さらには分断を持ち込む」と批判した。
また原告は、安倍晋三首相、森まさこ特定秘密保護法担当相、谷垣禎一法務相、北村滋内閣情報官、渡邉恒雄・情報保全諮問会議座長(読売新聞グループ本社会長)の5人に対しても、法の立案などに関わった当事者であることから証人としての出廷を請求している。
52席しかない傍聴席を求めて、約70人の傍聴希望者が集まり抽選になったこの裁判。第二回口頭弁論は9月17日、同じく東京地裁で行なわれる。
(古川琢也・ルポライター〈原告〉、7月4日号)
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