「議会での差別発言許さない」緊急集会――“セクハラヤジ”は氷山の一角
2014年7月24日11:13AM
6月18日の東京都議会で塩村文夏都議(みんなの党)に対して「早く結婚しろよ」などの“セクハラヤジ”が飛んだ問題で、「都議会・性差別やじ問題の幕引きを許さない緊急集会」(同実行委主催)が7月7日に東京都内で開かれ、約90人が集まった。
ヤジ発言を聞き、すぐに議長室へ抗議に行ったという東京都議で生活者ネットワークの西崎光子幹事長は、「これは単なるセクハラ問題ではなく、女性への人権侵害」だと強調。2010年に都条例改正を話し合う場で、「おまえは痴漢されて喜んでるんだろ」などと“罵倒”された体験も語った。
全国フェミニスト議員連盟所属の陣内やすこ八王子市議は、地方自治法129条をもとに「基本的に議会の統制(の責任)は議長にある」として、「発言者を制さなかったことは大きな問題」と述べた。
細谷実関東学院大学教授(男性学)は、「女性は外での活動はほどほどに、結婚して家庭にいて、子どもを産み育てるのが良い」といった“保守”的な両性の風潮が今回のヤジ発言の背景にあると分析。
「公人による性差別をなくす会」の中野麻美弁護士は、都議会議員に対して実施したアンケート(21人が回答)の結果として、ほとんどが今回のヤジは「人権侵害」にあたると回答したと報告した。
さらに第二東京弁護士会の広瀬めぐみ「両性の平等委員会」委員長は、「ヤジを批判する男性の中にも、『か弱い女性を公的な場で辱めてはならん』という一種の上から目線」があると指摘した。
来場者からは、調査委員会を設置し、解職請求を行なうべきなどといった意見が出た。会の最後には澁谷知美東京経済大学准教授がヤジの発言者の特定と、セクハラ発言をした鈴木章浩議員への厳正な処分などを求める要請文を読み上げ、満場一致でこれを採択した。澁谷さんはさらに、今後もやじ問題を追及していく姿勢を示した。
(渡部睦美・編集部、7月11日号)