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東海第二原発再稼働めぐり原電――対応に住民は怒り

2014年7月29日6:20PM

東海第二原発(茨城県東海村)の再稼働に向けて原子力規制委員会へ適合審査申請中の日本原子力発電株式会社(以下、原電)は、東海村を30地区に分けた住民説明会を7月4日から実施している。9月頃まで続くというが、住民からは不満の声が続出している。

住民説明会に申し込むには身分証の提示が必須とあり、個人が特定される。同村船場地区の岡本孝枝さんは「細かく地区も分けられていて住民は出席しづらい」と話す。相沢一正さん(脱原発とうかい塾代表)ら茨城県23の市民団体は今月9日、公開質問状を原電へ提出。適合審査の内容のほか説明会について、住民が出席しやすい場所や時間帯を示し、参加資格を東海村民に限定しないことなどを求めている。22日期限だが、回答はまだない(7月14日時点)。

一方で、本誌7月11日号に掲載した「原電が適合審査申請で説明会も」の記事について発行当日、同社の広報担当者から「抗議」があった。「われわれの意向が反映されていない」として、本文中の〈説明会で準備された席は30人分〉の表記を〈30人程度〉に「訂正」し、「人数を限定しているわけではない」ことや「30人程度」としたことの「趣旨」を踏まえた訂正記事を出すよう求められた。趣旨とは、(1)丁寧な説明と住民の意見をうかがうため、(2)住民に施設内を案内するバスとの兼ね合いもあり、(3)30人を超える場合は別途、日程を設ける予定――といったもの。

だが、原電が同村白方地区の約1600世帯に6月23日時点で配布した案内文に「定員は先着30名」と明記されており、広報担当にその点を問うと一転、「(案内文が)手元になく確認していなかった」との答えが返ってきた。同地区の川野弘子さんは、「参加者を限定する点を事前に抗議したがあしらわれた」とも話す。「訂正」されるべきは原電側の対応ではないか。

(中村ゆうき・フリーライター+内原英聡・編集部、7月18日号)

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