広島の被爆者、福島の学生と交流
2014年8月1日6:54PM
“核の被害”を受けた広島の被爆者と、福島県内の学生が時代を超えて交流を図った。福島県内の高校で7月11日、広島の被爆者で語り部の小野瑛子さん(75歳)による講演会が開かれた。主催者は、会場となった高校に在籍する学生(17歳)で、Facebookを通して小野さんと知り合ったという。「核廃絶のために広島・長崎と福島をつなげていきたい」との強い思いが合致し、開催に結びついた。計15人が参加した。
小野さんは、6歳のときに被爆した。爆心地の近くにいた姉と父は、全身に大やけどを負って死亡。小野さん自身も急性放射線障害や原爆ぶらぶら病に長年苦しみ、65歳以降に再び体調が悪化したという。参加者らは時に涙を流しながら、真剣な眼差しで話に聞き入った。
さらに小野さんは、福島県民に深刻な健康被害がでるのではとの危惧から、「私は『被爆者手帳』のおかげで医療費は全額無償なの。これはすごく良かったこと。福島県民にもこのような手帳が与えられなければならない」と、力説した。
参加者の一人(17歳)は、「小野さんが体を張って、思い出すのも辛い経験を語る姿に感銘を受けた。福島県民も自分たちの体験を伝えていかなければいけないと思った」と話した。今、広島・長崎から福島へ、強靱な平和の架け橋がかけられようとしている。
(白飛瑛子・17歳ライター、7月18日号)