インド「反原発」映画の上映はじまる
2014年8月4日7:18PM
「家畜のように村から連れ出された」
「彼らは呪いから逃げられはしない」
腹の底から怒りをはき出すように、住民たちは原発を告発した。開始早々、観る者を圧倒する映画『ハイ・パワー』の上映会が7月15日からはじまった。
1964年、インドでは初の民生用核施設であるタラプール原発が建設され、稼働がはじまる。国力増強のための国策だったが、タラプール周辺の住民は強制退去させられ、伝統的な生活様式は根底から崩れたという。
その後、流産が増え、心臓発作、がんなども多発する。原因は不明だ。しかし住民たちは、「放射能のせいに違いない」とくりかえす。27分というショートムービーだが、映画は最初から最後まで住民の生の声を撮りつづける。
監督はムンバイ在住のプラディープ・インドゥルカー氏。かつては科学技官として原子力研究センターに12年間勤めるなど「推進側」にいたが、体調不良で94年に退所。2009年から反原発運動にかかわりはじめた。今回の来日は、8月末とされるモディ首相の来日に合わせたもので「日印原子力協定を止めたい」と語る。関東近辺や福島、山口、広島、北海道など各地で行なわれる上映会にはすべて同行する予定。
詳細は、URL http://badseaweed.wordpress.com/2014_highpower_japan/
(野中大樹・編集部、7月25日号)