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「大間原発」訴訟で鈴木裁判長――意見陳述認めず閉廷

2014年8月28日7:28PM

「鈴木尚久裁判長は薄ら笑いを浮かべていました。原告住民側の森越清彦弁護士が、笑うところじゃないでしょ、とたしなめたほどです」と原告の一人は語気を強める。7月18日、北海道・函館地裁で開かれた口頭弁論での出来事だ。

電源開発大間原発(青森・大間町)の建設差し止めなどを求め、函館の「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)が国と電源開発を相手に起こした訴訟で、提訴以来12回の口頭弁論すべてで行なわれた原告による意見陳述を、鈴木裁判長が認めず、傍聴席が騒然とするなか弁論途中で閉廷した。

森越弁護士らによると、鈴木裁判長が冒頭「意見陳述の機会は設けない」と通告、原告住民側が理由を再三尋ねたが、鈴木裁判長は「回答の必要を認めない」などと拒否した。原告側は「裁判長による裁判の進め方は違法かつ不当だ」とする異議などを10回近く申し立てたが、鈴木裁判長らは却下。約1時間の予定だった口頭弁論を約20分で打ち切ったという。

大飯原発の運転を差し止める判決を出した福井地裁では、原告住民の訴えに真摯に耳を傾けていたという。前出の原告は「鈴木氏は、裁判途中の2012年4月に東京地裁から赴任。住民の訴えを切るために送り込まれた、との憶測すら流れています」と話す。

『裁判官の品格』(現代人文社)の著者、池添徳明さん(ジャーナリスト)は「鈴木氏は千葉地裁時代、検察寄りで有名な上司に仕えていたので、その影響を受けている可能性は高い。訴訟指揮と判決内容はもちろん一致しませんが、栄転するかどうか、次の異動先が決まる正念場だと思います。最高裁事務局や地裁所長らの目は気になるでしょう」と分析する。

函館地裁で揉めた時間があれば意見陳述は十分可能だったはずだ。福島第一原発による深刻な被害を経てなお、住民の声に耳を貸さない裁判官はどこを見ているのか。

(伊田浩之・編集部、8月1日号)

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