初のゲート前県民集会に約3600人の市民が参加――「辺野古新基地強行に抗議」
2014年9月8日7:08PM
米軍普天間基地の移設にともない辺野古地区への新基地建設工事の準備が進むなか、8月23日、3600人(主催者発表)規模の県民集会が開催された。県選出野党国会議員で結成する「うりずん」の会や県議会野党会派、沖縄平和運動センターと沖縄県統一連が約一週間前に呼びかけ、当日は米軍キャンプ・シュワブの第一ゲートを中心に基地を囲い込む形で市民が集った。「止めよう新基地建設! みんなで行こう、辺野古へ。」を合い言葉に、SNSでも事前に情報が拡散され、大学生や家族連れなども参加した。これほどの県民が結集した背景には、新基地建設を強行する政府や沖縄防衛局への怒りや、警備を担当する沖縄県警、海上保安庁への不満や不信がある。
集会当日、ゲート前には多くの関係者が詰めかけ、正午過ぎには各地から大型バスやマイカーが到着した。会場付近の国道は渋滞し、実行委が用意した那覇市発や沖縄市発のバスも超満員で乗車できず、到着できない人もいた。名護市民会館発のバス乗り場にも500人が集まり、フル稼働&ピストン運行で対応した。
集会では稲嶺進名護市長をはじめ二見以北住民代表、ヘリ基地反対協議会、県内政財界の有志や有識者らで立ち上げた「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」、平和市民連絡会、沖縄県統一連、県選出野党国会議員、県議らがリレー形式で挨拶した。
稲嶺市長は「私たちがなぜこのようなことをしなければならないんでしょうか」と切り出し、「41市町村首長、県議会、議会議長が全部揃って建白書を総理大臣に届けたにもかかわらず、私たちの思いはまったく無視された」と政府を批判。「(現在)辺野古の周囲に海上保安庁の船がびっしり浮いている。これは、69年前、戦争開始とともに沖縄を占領するため、沖縄本島を米軍の軍艦が取り囲んだあの光景とまったく同じ」と強調した。そして、「ウチナーンチュの心を見せる大事な時」であるとして、「(軍事基地のない平和な)未来は私たちしかつくれません」と“オール沖縄”を改めて打ち出し、辺野古断念へ向けた決意を語った。
実行委員会は今年11月16日に投開票の県知事選挙に向け、第二弾、第三弾の県民大会も予定する。
一方、今月20日には糸数慶子参議院議員らがスイスのジュネーブへ赴き、国連人種差別撤廃委員会の場で名護市辺野古への新基地建設、東村高江へのヘリパッド建設の民意を無視した強行は「人権無視であり、琉球人への差別だ」と「即時中止」を訴えている。
県選出の国会議員による国連への直訴は初めてで、政府の辺野古強行により県民の反発は国際社会にも広がりを見せている。
(本誌取材班、8月29日号)